ハゲは男らしい、は真実なのか

俗信だと思っていた「絶倫ハゲ」には根拠があった

一般的によく言われるんですけど、禿げてる人は「あっち」が強いと。
今まで自分自身を鑑みて(笑)、「そんなことはない」と思っていました。
迷信、俗信、都市伝説。

しかし、どうも男性ホルモンが関係しているのは確からしい。
昔から、禿げるのは男性ホルモンの影響が強いからだとは言われていますね。

ここで、禿げるメカニズムをおさらいしてみましょう。

髪の毛は成長期、退行期、休止期の三つの工程から成り立っています。
これを「ヘアサイクル」と言い、1本1本の髪はこのサイクルを繰り返しています。

「成長期」通常3年~7年程度
「退行期」2~3週間
「休止期」3~6か月
と言われています。

若ハゲはこの「成長期」が極端に短い状態のことです。
生まれたばかりの弱い毛髪が十分に成長する前に抜け落ちてしまうんです。
産毛のまま、命を失っていくわけですね。

これにはDHT(ジヒドロテストステロン)という物質が大きく影響を与えています。
脱毛部には、このDHTが高濃度に見られるそうです。
そして、DHTのもととなっているのが、テストステロンという男性ホルモンです。

こいつが、髪にとって悪さをしているわけですね。

テストステロンは睾丸などから分泌され、思春期以降の男性の性徴を促します。
「男っぽさを作る」ホルモンのわけです。
最近では「モテホルモン」などと言われて、一部から注目されているようですね。

つまり、
ハゲの原因となるのはテストステロン。
テストステロンは一方で、精力や筋肉増大を司るホルモン。
それが強く作用しているハゲ男性は「精力が強い」という図式になります。

「テストステロン」――精力か発毛かの板挟み

ここ最近、AGA治療薬として処方されはじめているプロペシア(ジェネリック薬ではフィンペシア)。
この薬の働きは、テストステロンの分泌を抑制させることです。
男性ホルモンを減らし、脱毛の原因を除くという目的です。

男らしさをなくせば、髪は生えてくる。
しかしEDの可能性も高くなる。

どうですか? 究極の二者択一です。
中高年男性には、別にもうEDになってもいいやという方も多いでしょうが。

ただ、研究によると、この二律背反には「亜鉛」が効果を発揮するとも言われています。
亜鉛は、男性機能を強化する物質としても知られていますよね。

それじゃ、テストステロンを増やすってこと?
ますます禿げてくるじゃんよ~!?

その疑問はわかります。
しかし、亜鉛には薄毛を抑制する効果もあるらしいですよ。
テストステロンを自然に調整してくれるらしいんです。
二律背反の解決です。

しかも亜鉛は、味覚も鋭くしてくれるとか。
亜鉛を配合したサプリメントもありますから、AGA治療薬を服用なさりたい方は、
併用するといいんじゃないでしょうか。
(あ、これはあくまでも僕の個人的な感想なので、実際に飲み合わせて害がないかどうかはご自身で調べてください)

いずれにせよ、薄毛男性にはそれを解消する方法がいろいろ増えてきたということですね。
試すかどうかは個人の判断。

別にこのままでいいじゃん、というみなさん、ぜひ僕と一緒にポジりましょう。
ねっ!

男性ホルモンが強すぎるとこうなるのか!? の想像図です
絶倫なパパさんのイメージ図です。
でも頭が光ってる人ってこういう先入観ありますよね。

少し精力が落ちてきたけど、髪が全体にぽよぽよ生えてきた、てな感じの想像図です
AGA薬による治療中の想像図。
テストステロンを抑制することで、髪は生えてきたけど
ギラギラ感が失せてしまいそうな男性です。
(上の2点とも、あくまでも想像図ですよ~)

kamagra

タグ

夢が現実に? iPS細胞で毛髪を再生!?

すべての髪の悩み、解消されるかもしれません

203年1月、こんな話題が日本を駆けめぐりました。
「iPS細胞で毛包の再生に成功!」

ノーベル賞を受賞した、あの山中教授のiPS細胞です。
実用化に向けての研究が、あっちこっちで進行しているんですね。

今回、毛包の部分再生に成功したのは慶應義塾大学。
こちらにプレスリリースがあります。

ヒトiPS細胞から作った前駆細胞とマウスの細胞を混合して、マウスの皮下に移植。
すると、毛包の再生が確認されたというものです。
まだ実用段階にはないものの、ヒトの細胞で実現する可能性は高いとのこと。

そうなると、薄毛どころではなく、既に髪がかなりなくなっている僕らにも
フサフサとなる可能性が生まれたということですね。

いつ実現するんだろう、治療費はいくらなんだろうと、
気の早い人は前のめりになっているかもしれませんね。

治療方法は、皮下へ細胞を移植するわけですよね。
これが大変かも。
毛根移植の動画を見たことありますが、実に痛そうでした。
麻酔はかけていると思いますけれど……。
まるで手彫りでタトゥーを入れるような感じ。
毛根を一つひとつ皮下に埋め込んでいくのですから。

でも、それに耐えればフサフサの頭が実現するとしたら、
みんな頑張って手術を受けるのかな。

カツラメーカーや増毛・発毛メーカーにとっては、大打撃になるかもしれません。
この、ポジティブ・ヘッドブログだって存在意義がなくなってしまう(笑)

ところで気になった点。
手術をしたとしても抜け毛は進行していくわけで。
そうすると、植毛した部分と抜けていった部分が分かれてしまいますね。
前頭部には毛があって、その後ろに禿げた部分が、なんて具合に。
 抜ける速度が速ければ、こんな境界エリアができてしまうかも

 

ネットでも、「どこまで本気で研究してるか」「金持ちしか恩恵を受けられないのでは」などなど、議論百出です。
ハゲは美容のジャンルだから、iPS細胞関係の研究では後まわしにされかねない、
という意見もありました。
でも、男性型脱毛症ばかりではなく、頭に怪我をしてしまってそこが禿げている人などもいます。
歯と同様、需要は高いんじゃないでしょうか。

ま、iPS細胞の増毛をやるかやらないか、実用化されたら考えることにして、
今までと同じように、ポジティブ・ヘッドで前向きに行きましょ!

viagra

タグ

なるほど、AGA治療薬って

生える?生えない?「飲む発毛剤」

禿げてるあなたへ。
(あ、もちろん僕もですが)
ほとんどのハゲは、AGA=男性型脱毛症と言われるものです。

ヘアサイクル、つまり周毛期のうちの成長期が短くなるため、
前頭部と頭頂部が薄くなってしまうのです。

ご存じですよね。
このブログにも以前書きました。

20〜30代で起こる「若年性脱毛症」と、
40〜50代の「壮年性脱毛症」があります。

僕の場合は、30代で薄くなり始めたので、
若年性、つまり若ハゲということになります。

今は立派な(笑)壮年性脱毛症。

このAGA、男性ホルモンと5-αという還元酵素が結びつき、
発毛抑制ホルモンが生まれます。
こいつが薄毛、ハゲの原因となるわけです。

その結びつきを阻止する成分が「フィナステリド」。
これを飲んでいれば脱毛が止まり、髪の毛が太くなってくるんです。
いや、発見した人はすごい。

まず海外でこの薬が販売開始となり、2005年に日本でも承認されました。
爆笑問題が出演したCMをやっているでしょ。
あれは、皮膚科に行ってAGAであることを診断してもらい、
薬局でAGA治療薬を入手しなさいという流れです。

で、処方される薬が「プロペシア」というもの。
有効成分フィナステリドを含み、毎日1錠服用します。
なんでも90%(!)の男性で効果が見られるらしいですよ。

ああ、禿げ始めたときにこの薬があれば……今思います。

しかし、かなり高いらしい。
1月1万円近くしてしまうとか。

そこで、ジェネリック薬品を使用する人も増えているそうです。
有名なところだと「フィンペシア」。
インド製で、10錠180円で売っているサイトもあります。

発毛確率はかなり高いが、副作用も

実は私の知人が、フィンペシアを飲み始めました。
彼の弟さんがその前から飲んでいて、つるっパゲだった頭全体に
うっすらと髪が生えてきたのだそうです!

つるっパゲだったのに……
全体にうっすらとながら、髪が?

惹かれるなぁ。
実は、気持ちがグラグラ来ました(笑)

効果はじわじわ現れるのが特徴。
彼の弟さんも200日くらいで頭皮に髪が現れてきたと。
気長に飲み続ければ、もしかして髪が回復してくるかもしれない。

あなたも服用したくなりましたか?

僕は気持ちが揺れているけれど、飲み始めるのには
頭を丸めたときと同じくらいの気持ちのスイッチが必要だと思っています。
効果を確かめるため、ずっと伸ばしていなければいけないわけでしょ。

この頭で生きていくと決めたのだから、中途半端なハゲ頭にはできない。
ダンディじゃない、粋じゃない、ポジティブじゃない。

というわけで、気持ちのグラグラはスッパリと断ち切りました。

知人が服用し、経過報告をしてくれると言っています。
こちらで紹介することもあるでしょう。
お楽しみに。

あと、ジェネリック薬品は国内で承認されていないので、
海外から個人輸入するカタチとなります。
安いバイ●グラを求めて、と同じですね。

ネットの情報では、偽物も出回っているそうですから、
ご利用は個人の責任で、ということになります。

あと、フィナステリドには副作用があって、
男性機能が多少減退することもあるそうですよ。
さあ、どっちを取るか!?

あ、そうそう。もしAGA治療薬を服用中の方がいらっしゃったら、
その経過や効果をぜひ教えてください。

これがプロペシアのジェネリック版・フィンペシア

フィンペシア1か月分。プロペシアよりかなり割安なので、
人気が高いみたいですね。

タグ

どこまでが額で、どこからが頭か?

禿げると額が広がるのか、それとも額の面積は変わらないのか

小さい頃からおでこが広い、と言われていました。
おでこが「秀でている」と言いますが、別に賢いということはなかったです。
でもまあ、おでこ=額が広いんだなと自覚しつつ大人になりました。

で、そのおでこがだんだん広がってきたわけですよ。
もちろん、髪の毛の生え際がだんだん上がってきたということ。

こうなると、「額」とはどこを指すのだろうかという疑問が頭をよぎります。
生え際から下を言うのであれば、我々ポジティブ・ヘッドの額は実に広い。
だいたい、生え際は後頭部のさらに下のほうに移動しています。
ま、ここを「額」とは誰も言わないでしょうから、額と頭の本当の境界はやはり前頭部にある。
ちょっと調べてみると、「額とは、皺のよる部分である」という記述がありました。
鏡に向かっておでこに皺を作ってみると、確かに眉の上から何センチかの部分まではそうなります。
すると、その上が「頭」ですね。

額と頭の境界線はどこにあるのだろうか

こうやってみると、皺のよっている部分は昔から毛がなく、その上の部分が生え際だった。

髪があった頃を思い出してみると、皺との境界線あたりが生え際だったような気がします。
ああ、ここまで髪があったのか……。
高校時代はアイビーカットにして庇をピッと立てていたなぁとか、
ジェフ・ベックに憧れてセンター分けにした前髪を目が隠れるくらいまで伸ばしていたなぁとか、
いろいろと思うわけですよ。
額だの頭だの、思い悩まなければよかった。
「もう悩まない」がこのブログのコンセプトですからね。

あと、素人考えなんですが、「男性ホルモン」の効き方が分かれる部位が、境界線なんじゃないかと。
眉や髭が濃くなるわけでしょう、男性ホルモンがたくさん分泌されると。
でも、髪はそんなわけにはいかない。
毛根が元気になるのが額以下、抜けてしまうのが頭。
でもまあそれだと、皺のよるおでこはどうなるのよ、
ということになりますから、あんまり信憑性はないですね(笑)

我々ポジティブヘッドとしては、額と頭の境界線など無視して、すべてがおでこと割り切りましょう。
「いやぁ、もうすっかりおでこが広がっちゃってさ」と笑い飛ばしましょうぞ。

タグ

ついに、ハゲ頭が広告媒体に!

若ハゲの悩みを前向きに解決した光るアイデア

先日、「ハゲ頭をアートなキャンバスに」という記事を書きました。
そしたら、読んでくれた方から「こんなのもあるよ」と教えてもらったのが、
「自らの頭を広告媒体にしている男」というニュースサイトでした。

「僕のハゲ頭、売ります」広告スペースとして売り出す新ビジネスが話題に

アメリカはテキサス州のブランドン・チコットスキーという男性が、
自分の頭が禿げてきたのを機にハゲスキンにして、そこへ掲出する広告を募集したところ問合せが殺到していると。
掲出料は一日320ドル。頭にブランドロゴを入れたタトゥーシールを貼って、
街中を歩くことがサービスに含まれているらしいです。

高いか安いかはおいといて、ここまでポジティブになれるとはたいしたものです。
しかもこの男性はまだ20代とか。

タトゥーシールをハゲ頭に貼り、街中を歩く
これが「BALDLOGO」社を立ち上げた青年。ハゲスキンが似合ってます

広告屋としての意見だと、広告の面積が狭いことが気になります。
看板やバナーを掲げた女性と2人で目立つようにプロモーションもするということですが、
そっちの方に目が行って、頭のタトゥーが目立たなくなる恐れがあります。
ただ、OOH(屋外広告=Out Of Home)の一種になるのでしょうが、
ビルボードや電飾看板にはない要素が上述の看板やバナー、女性と言えるでしょう。
と書いてきて、日本にも同じような広告媒体があった。
そう、「チンドン屋」、「サンドイッチマン」です。
自らの芸や身体を使って広告している点においては、同質ですね。

そういえば数日前に、脱毛した脚にそのエステ会社のロゴを貼り広告媒体にしている、
という新聞記事も見ました。
日本の、有名なエステ会社です。

どこまでハゲをアピールしながら広告を目立たせるか。
チコットスキーさんのアイデアはまだ発展途上ですが、
人の身体をメディアにするという流れは、確実に復活しているような気がします。

タグ

眉毛が気になり始める

星飛雄馬の眉毛だった頃

髪を落として頭部が「すっぴん」になると、顔のパーツが目立つようになります。
耳がやけに出っ張ってるなとか、
ほっぺはこんなにふくよかだったのかとか、
唇がタラコに近いんじゃないかとか。

今まで髪に目が行って、気づかなかった部分が主張を始めるわけです。

そのアピールするパーツの一つが、眉毛。
もっとも、ポジティブ・ヘッド的頭髪量だと、前髪が眉を隠すことはあまりないでしょうね。
でも、むき出しの顔になると、とても主張の大きいパーツなのです。

僕の眉毛は、濃くて太い。「巨人の星」の星飛雄馬のように。
しかし眉尻は下がっていて、いわゆる「八時二十分」なのです。
こんなダサい眉ではなめられる。
外観が何よりも気になる中学生時代から、眉毛がコンプレックスになっていました。

で、ちょいと「お手入れ」をしていたのです。
今自分の中坊と変わりませんな。
しかし、これには弊害が。
現代と違い、当時はそれほど眉をお手入れしている少年はいませんでした。
なので、その筋の皆さんに絡まれることが増えてしまいました。
ツッパリの仲間と思われたんでしょうね。

でもケンカ、弱かったんです。
まあちょびっとずつ整え方を変えつつ、
エクストリームにはならない程度の塩梅を見つけたわけです。
高校卒業くらいまで、その細眉は続きました。

鋭い目つきだった10代の頃

ほとんど眉毛が無い時代も経験して、これくらいの細さに落ち着いていた

 

オヤジの細眉ってどうですか

さて、大人として暮らす現代。
男の眉毛整備もポピュラーになり、細い眉毛もごく当たり前に。
前山さん、お手入れしてもいいのよ、と誰かが耳元でささやきます。
(誰だ?)
特に、ポジティブ・ヘッドにしてから、やはり眉毛の主張が大きくなりました。
整えてみようかな、との思いが月に1回ぐらい押し寄せてきます。

でもこうなると、トレンドには背を向けたくなる僕がいます(笑)
あるがままの自分でいるのがポジヘッドの誓い。
絵で描いたような眉は、それに反するのではないか。

みんなキリリとした眉を持つ中、茫洋とした眉毛。
実にお人好しで、お洒落には何も気を遣ってないように見える。

でも、これでいいのだ

僕は面倒くさがりなのです。
2日に1回くらいのお手入れでないと、剃ったり抜いたりしたところから
短いのが生えてきて、ちょっとかっこ悪いことになる。
なんせ、星飛雄馬の眉ですから、トリミングしている面積が広い。
だから、毎朝お出かけ前には鏡に向かう時間が必要です。
それがちょっと面倒になってきた。
高校卒業まで整えてきたのを、大学に入ってから放棄したのもその理由。
めんどくせえ、と。
以来、ナチュラルな眉毛で来ています。

今日の投稿はあくまでも僕個人のことなので、
キリリとした眉でもいいじゃんか、というご意見に反論するものではありません。
あるがままでいるのは、あくまでも頭のことであってね。
眉も髭も同じく整えるのは何らおかしなことではないし……あれ、こうやって書いてくると、
ちょっと整えたくなってきた。
いずれ、そうなるかもしれません。
(と、実に無責任な終わり方ですみません)

何もしないとこれくらいの面積に広がる

若ハゲを諦めて受け入れる前、ロン毛時代のスナップだが、眉そのものは今もそれほど変わらない

タグ

2012年9月14日 | コメント/トラックバック(0) |

カテゴリー:ファッション

実は、アデランスの広告を作っていた

ハゲスキンの社長に拾われた頃

80年代が始まった頃、僕は社会人になりました。
とある広告制作会社にもぐり込み、コピーライターの名刺を持ったのです。
この世界、名刺に勝手に「コピーライター」と刷ってニヤリと笑えばコピーライター、という有名な言葉がありました。
仲畑貴志さんという、大コピーライターがどこかでおっしゃっていた言葉です。

さて、ブーム渦中のカタカナ職業となった僕は鼻息も荒く、「仕事のできる場」を探していました。
最初の会社には飽きたらなかったのです。
ま、いろいろありまして。

次に見つけた会社は小規模なものの、「東京コピーライターズクラブ」の会員が社長を務めるところでした。
まだ1年弱のキャリアしかない生意気な若造は、面接であることないこと吹きまくり、
そこの会社に入れてもらうこととなりました。
後で振り返ってみると「拾われたかな」という気もします。

その社長、当時50代だったと思いますが、見事なスキンヘッド。
ハゲたから剃っちゃったんだ、と豪快に笑っていました。

あるとき、「お前、まだ実感ないだろうけどアデランスのコピー書け」と言われたのです。
テレビCMは大手代理店がやっていましたから、新聞や雑誌などの小スペース広告がメインです。
実際、禿げてる人の心理などまったくわかりませんが、
いろいろ資料を読んだり過去の広告を調べたりして、原稿用紙に向かいました。

その会社に、営業のIさんという男性がいました。
僕より5つか6つ上でしたから、まだ20代後半。独身。
その人が、典型的な若年性脱毛症、つまりAGAだったのです。
(当時はそういう言葉はもちろんなく、単に『若ハゲ』)

禿げてる人に訊くのがいちばんいいんだけどなぁ。
でも悪いしなぁ。怒っちゃったら困るしなぁ。

ちょっと遠慮して、何も訊かずにコピーをひねくりだしていました。
当時目新しかった「グルーミング」なんて言葉を使ったりしてね。

「ミスターアデランス」になり損なった若ハゲ先輩

可もなく不可もないコピーを書いていた頃、
アデランス社で「ミスターアデランス募集」なんていうキャンペーンを始めました。
若ハゲの人々を募り、いちばんカツラの似合いそうな男性を「ミスターアデランス」に認定、
その人に合ったカツラをプレゼントして、広告キャラクターにするというものでした。

社長はI先輩に、「おい、お前これ応募してみろ。俺が口利いてやるから」と
写真をバシャバシャと撮り、アピール文を口伝てで書かせ、投函してしまいました。

その人、顔立ちは整っていて真面目な雰囲気。
もし髪がフサフサしてたら男前でもてたに違いない。
だけど、ミスターになってカツラかぶって女の人にもてたとしても、
CM見られたらハゲってことわかっちゃうんじゃない?
どうするんだろう……。

要らぬ心配をしつつ日にちが経ち、いよいよ「ミスターアデランス結果発表」!

落選してました。
「俺が口利いてやる」も、役に立たなかったようです。

先輩は何だかホッとした顔をしていました。
実はその頃、縁談が進んでいて、もしミスターになったらどうしよう、
とハラハラしていたというのです。
社長が結婚式のスピーチで何て言うか、心配だったんでしょうね。

初めて招待された結婚式。
若ハゲのままの頭でお礼のスピーチをする先輩は、ちょっと涙ぐんでいたのが印象的でした。

僕は心の中で「よ、いいぞ! ミスターハゲランス!」と喝采を送っていたのです。

 

★登場人物たち。当時の記憶をもとに似顔絵を描いてみました。

その体型通り豪快なハゲスキン

毎朝つるつるに剃り上げてきましたが、時々失敗したせいか頭に血がにじんでいることも。

若年性脱毛症いわゆるAGAで悩んでいた先輩

薄毛でスーツとネクタイ着用だと真面目感が一層際だちます。後頭部まで禿げてましたが、サイドは密度の濃い髪の毛でした。

タグ

同窓会での頭髪リサーチ

頭が気になる年頃のハゲッぷり

40になったばかりの頃、高校時代の同窓会がありました。
学年全体でやるのは、おそらく初めて。
卒業以来25年経っていましたから、四半世紀ぶりに再会した人もいるわけです。

その頃僕は、まだポジティブ・ヘッドにする以前。
丸めるかどうか逡巡していました。
季節は正月。寒いのをいいことに、ニットキャップをかぶって出かけました。

何度か会っていた同級生の顔は、もちろんわかります。
でも卒業以来初、という人はもう全然わからなくなっていて。
「誰だっけ」と思いながら胸の名札を見て、「ええ!」と驚いたりね。
それは向こうも同じで、お互いに驚いた顔で指さし合うなんてシーンを繰り返していました。

社会の中堅と呼ばれる年代で、それぞれ責任もあるでしょう。
家族の存在もずっしりとのしかかっているでしょう。
だから、ストレスも相当なもの。
つまり、それが頭髪にも影響を与えているのだろう。

会場で、僕はニットキャップをかぶったままみんなの頭を観察していました。
もちろん、まだまだふさふさの連中も多い。
半白髪になっているけれど、生え際も若干後退しているけれど、
しっかりと髪は残っているという羨ましい連中。
だけど、半分近くの男たちはそれなりに悩みを持っているような頭でした。

いいぞいいぞ。
僕は、人の悩みが蜜のように思えていたのです。
お前らも悩んでいるだろう。もっと悩め。
俺のようにな……。

同類であるがゆえのひねくれた共感。
やな心理ですね。

でも、だんだん気が楽になっていきました。
自分一人じゃないんだよ、ね。
それなりに禿げたり薄くなったりしている連中の、ありのままを見た気になりました。

自然で行こう。このままでいいじゃんか。

同窓会後半、僕はいつしかニットキャップを脱いでいたのです。
ポジティブ・ヘッドへつながった、忘れがたい夜でした。

タグ

このページの先頭へ